INTRODUCTION
活動期間3年弱(1993.02.21~1995.12.31)
年間海外ツアー80本(平均4日に1回)
総制作楽曲73曲(平均2週間に1曲)
世界10ヶ国から音源発売――。
世界中のレーベルが音源を奪い合う、凄いバンドが日本にいた!
Photo by Masao Nakagami(TARGET EARTH)
今から20年前。世の中はバブル崩壊、インターネット前夜、日本の音楽業界ではロックを喰い物にするバンドブームがようやく終焉―。そんな時代に僅か3年に満たない活動期間にもかかわらず、凄絶な足跡を残したバンドがこの国にいた。
年間80本にも及ぶ欧米ツアー、下北沢シェルターを中心とした国内での勢力的なライブ、3年間で70曲を超える音源制作、そしてアメリカ、カナダ、フランス、ベルギー、ドイツ、スペイン、オーストラリア…海外レーベルからリリースされたおびただしい数のシングルとアルバム―。
R&Rをあくまでも"今"のものとして独自に再構築、無駄を徹底的に削ぎ落とした約90秒のプリミティブR&Rを速射砲のごとく連発した、日本ロック史に類をみないバンド、
それがTEENGENERATE(ティーンジェネレイト)だ。
二人の兄弟FinkとFifiの強烈な個性のぶつかり合い、SammyとShoeのリズム隊は機関車の様な推進力でR&Rを加速させる。当時、彼等の既成概念やシステムにとらわれることのない活動は、世界中の仲間たちと共鳴しながら大きなうねりを生み出した。
しかし日本の音楽メディアはごく一部を除いて彼等を黙殺、一方海外で彼等は少年たちの人生を変えるほどのスーパーヒーローとなっていた。あの時代、一体何が起きていたのか?
メンバーや当時の関係者、総勢40人に上る貴重な証言によって彼等の短くも太すぎる足跡を辿るのが本作『GET ACTION!!』である。監督はTEENGENERATEとそのシーンをリアルタイムで経験した元映画館支配人の近藤順也。どうしてもあの時代を記録したいという思いから初監督を飾ることとなった。また撮影・編集はボアダムスの『77BOADRUM』(08)、ブラッドサースティ・ブッチャーズの『kocorono』(11)など数多くのロック映画を手掛けてきた鬼才、川口潤が担当。
被写体の宣伝のために作られるロック映画が蔓延する中、『GET ACTION!!』は本当にカッコいい音楽を知ってもらいたいというピュアな衝動に満ちている。
「TEENGENERATEがいなくなって、この地球のロックはつまらなくなった。」 ―――セイジ(ギターウルフ)